11/28 2001掲載

《京都の紅葉二日目》

11月24日

昨晩のこと
我々を、ロイヤルホテルまでわざわざ訪ねてくれた井上君ご夫妻と共に。

奈良が住まいで勤務先が京都とくれば、まさに古都観光のエキスパート。
各地の紅葉情報、おおいに参考になりました。

明けて24日今日も快晴!さあー出かけようか。











せっかく早起きして出掛けるのなら

少しでも遠くまで足を伸ばそうと

川端通りを大原方面へと向かい

ここまでやってきました。

朝陽の差し込みも清清しい季節を肌で感じつつ

混雑前の境内を散策してみます。





下に眼をやれば

紅葉おりなす
見事な天然の絨毯。

上へと眼をやれば

身が引き締まるネー、ここは。

いやそれよりか貴方、その煩悩だらけの身を元から清めてほしかった!?

ここ三千院をあとに

若狭街道をはさんで向かい側にある

寂光院へと歩を進めます

三千院とは対照的に、こじんまりと親しみあふれるこのお寺
紅葉を愛でるのには格好のおおきさ。






ただ残念なことに、平家物語当時のままの寂光院本堂は
放火により消失、管轄署の目撃者依頼のビラがやけに痛々しかった。




ここの紅葉の特徴は黄色
他所のと比べ、紅を見事に引き立てていて
それでいて自己主張はしっかりと忘れない。
こんな女性が・・・きっといるはず、あなたの周りにも。

何度も振り返りつつここを後に

お次は岩倉実相院。

ここも門跡
門跡とは皇族・貴族が出家し住んだ特別な寺格をいうそうです。

門をくぐって驚かされる丈の低い幅広の紅葉

驚かされるといえばこのお寺、建物のあちこちに
つっかえ棒が目に付く

建付け一つ見ても相当傾いていて修復も容易ではないように
思われる。よけいな心配かもしれないが、京都市内の有名寺
ほどに拝観客が多くなく檀家からの寄進も多くを望めないのか・・・・・
いずれにせよ大規模な修理は急務のようだ。






ここ一番の見せ所は
石庭

紅白の見事なコントラスト

紅葉狩りを楽しんだらお次は

ザ・精進料理

いつぞやのグルメ情報で「精進風料理」を紹介したら
来るわ来るわのクレームメッセージ。
それでは罪滅ぼしにと予約入れたのがここ「大徳寺一久」
本式の精進を勉強させていただきましょう。
いいですか?興平サン

大徳寺のめし炊きを務めて500年以上、一子相伝を守り続ける精進料理の

スタートはこれです

続けて料理編





鰻ではありません
念のため

たれ焼き風ゴボウ

某先生、栗ご飯をペロリと平らげてお代わり!だと。
どこぞの定食屋サンとお間違えのようですが・・・・・・
「別のご飯がまいりますので」といわれて一安心。






しその掛かったご飯を2度お代わりしていました。

来る前まで、100%精進じゃどんなかな?と思っていましたが
なかなか風情に満ちた午餐となりました。
お薦めですよ。

さる読者から・・・・・

折角の一久の精進料理なのに、料理の説明がないのは淋しいので、
いつものお節介で勝手に解説を思い立ちました。
僧堂時代は年に4,5度は頂いていたのですが、帰ってきてからは、
ここ10年に2,3度くらいなので、あたるかあたらぬか、、、、、。

さて、初めのお茶と菓子はとばして、お膳から。
正方形の四隅を切り落とした八角形で足のないこの型が、臨済の精進料理のお膳。
他宗では、猫足のお膳を使うことも。大きさは、元の正方形の一辺が一尺五寸といったところ。
厚みも二分程もありますが、ものが本木地本塗なので、見た目より意外に軽いのです。
お椀類も全て朱塗りですが、お膳の裏だけは、下塗りの黒色のままの場合もあります。
同じ色、型のプラスチックのものもありますが、本木地と同じ厚みにすると重くなるので、
その分薄いのです。そうすると手触り口当たりが鋭く冷たい。
この写真で見た感じでは、飯椀と汁椀がプラスチックみたいです。
箸も、赤杉の利休箸ですね。

某眼科医がお替わりしたがった栗ご飯はおいといて、その右がお汁椀。
いかにも京都風に白味噌仕立て。とろりと甘い白味噌には溶き辛子を添えて味を引き立たせるのが定石。
その辛子が乗っている緑色のものは、よもぎ麩でしょう。
四角いものも入っていますが、素直に見れば蕪か大根でしょうが、冬瓜、干瓢かも、、
豆腐も入っているようです。

その上。白和えに銀杏と黒いものは寿泉苔(じゅせんたい)、いわゆる水前寺のりです。
白和えの中身は、薩摩芋、蓮根、人参、銀杏といったところかな?

その左の七種盛り。奥の白い四角なのは見当がつきません。
白い松ぼっくりのようなのは百合根の甘煮でしょう。
中央の黒いものは大徳寺麩といって、ボール状の生麩 を素揚げして甘からく炊いたものを
スライスしてつけているようです。青梅の甘露漬けに栗の旨煮。紅白の対は千枚漬けとはじかみ生姜かな。

これら二皿の器は、木皿といいます。一寸程の高さの高台(こうだい、茶碗の足)から、縁がぐっと張り出して
いるのを刀のつばに見立ててつば木皿とも云い、道具屋によっては誤ってかわざとか椿皿とも。

つぎの写真は、云わずとしれた胡麻豆腐。
胡麻豆腐の説明は不要でしょうが、この器は普通のセットにはない形。
向付け的な使いのためにあつらえたものでしょう。たぶん高台のない、いわゆる後家底だと思います。

写真4枚目。
鰻のようなのは、たたき牛蒡といいます。
近頃よく話題になる京野菜の一つで堀川牛蒡というもの、これが、径二寸余にもなる巨大なものですが
柔らかいのです。叩き開いて調理するところから、その名が付いたのでしょう。
醤油からく炊き上げて山椒の粉を振ります。もう一つは、細巻き湯葉と紅葉麩の炊き合わせ。

次のは、青紫蘇のゆかり飯。
このように、大きなお椀に少ししかつけないのが都振り?
眼科医ならずとも、何杯もお替わりしたくなるものです。

さらに、メインディッシュともいうべき平碗。
湯葉に松茸、青みはほうれん草、刻み柚子皮。この形の湯葉を搭地湯葉といいます。
こんもりと丸めた形が、お墓の土盛り土饅頭に似たところからの名称でしょう。
不吉なと嫌ってか東寺湯葉とも書きます。うま味を増すために、素揚げしてから煮ているようです。
吸い物よりやや濃いめの汁で煮含めますが、汁が美味しいのでこのように多めに汁をはって供します。

最後は、香の物。
浅漬けの大根は厚く切って、隠し包丁いや此の場合は見えているので飾り包丁?を
するのがこの店の定番。この器の形、蕎麦猪口に低い高台をつけたようです。
一般には、猪口といいますが、大徳寺では壺、木壺といっておりまして、薬水(いわゆる般若湯)が
出ますとこの中身を他の皿にあけてこれでやるのが流儀でした。

以上、補足説明、、、ありがとさん

お店の前は言わずと知れたあの大徳寺。
2週間前に手討ち庵が案内してくれた、高桐院の紅葉やいかに?

いつ尋ねても心洗われるこのアプローチ

ここで前回との比較をしてみましょう。

11/10の光景

これが11/24

桜と同様、盛りを見るというのは容易ではありません。







名残を惜しむかのように

振り返りつつ高桐院をあとにしました。

三日目へ続く・・・