15 June 2011

長崎訪問 その4  TH
 
【グラバー園】

長崎港を見下ろす丘の上に建つグラバ−邸は、50年前の修学旅行では一軒家という印象でしたが
現在は近隣にあった3軒の洋館を修復し、市内の居留地時代の古い建物も移築して
「グラバ−園」としてまとめて公開しています。
この一帯は居留地時代は「南山手」と呼ばれました。
 
《旧三菱第二ドックハウス》

グラバ−園の丘の一番高い所に移築されています。


1896年(明治29)に三菱造船所の第二ドック付近に建てられました。
修繕中の船の乗員の宿泊用施設だったとの事です。


二階の広いバルコニ−です。右方向に三菱造船所が見えます。
今日はあいにくの曇り空・・・。


広大な前庭の先は長崎港。
ドックに停泊中の大きな船が異国情緒を誘います。
対岸には夜景展望台のある稲佐山が見えています。

《旧オルト住宅》


1864年(元治元年)築といえば、江戸時代の末期です。
石張りのバルコニ−、円柱のコロニアルスタイルとのこと。
国の重要文化財、重厚ですね。


正面玄関前の噴水

咲きこぼれる白いバラの木も年を経ているようです。


《旧リンガ−住宅》

 

こちらも古く1869(明治2)年の建設です。
解説によりますとベランダの敷石と柱を支える石が珍しいのだそうです。
古いペンキ塗りの大きな外開きの鎧戸に年月を感じます。

鉄のベンチの背もたれも素敵です。座った証拠。


《旧スチイル記念学校》


オランダ系宣教師による1887(明治20)年の建築で
学校の校舎や寄宿舎として使用されました。
すっきりと洒落ています。

《旧長崎地方裁判所長官舎》



旧長崎地方裁判所長官舎は1883年(明治16年)の建設です。
洋風の官庁建築として唯一残る貴重なものとか。
ハイカラというより、どこか懐かしい感じです。

《旧自由亭》


1864(元治3年)創業の日本最初の西洋料理店で、
この建物は明治11年(1878)に建設されました。
移転後も中はカフェになっているそうです。

《グラバ−邸》


丘の麓まで降りて来ました。グラバ−邸です。


1863年(文久3)完成の日本最古の木造洋風住宅です。
こちらも国の重要文化財です。 
接客を目的とした、廊下のないベランダ・コロニアル様式になっています。



花に囲まれています。


庭に出ると、港と大きな船が、信じられないくらい目の前にある・・・といった感じの家です。


英国人が大好きな温室。
窓の向こうには船が見えています。

グラバ−邸は後年三菱長崎造船所の所有となり、
寄贈され、昭和32年(1957)から一般公開されたのだそうです。


ベアト撮影 1864年の古写真。
庭でくつろぐグラバ−氏とのこと。
一部日本庭園風になっています。


こちらもグラバ−氏です。
海の見える理想的な立地に満足しているようです。

《旧香港上海銀行長崎支店記念館》

ホテル正面玄関から見える古いエレガントな建物が気になっていましたが
「旧香港上海銀行長崎支店記念館」ということで、行ってみることにしました。


「旧香港上海銀行長崎支店」の正面は、
南山手に隣接した「大浦海岸通り」に面していています。
(相当離れないと撮れないので参考画像でのご紹介です)

ここは長崎の外国人貿易商を取引先とした為替銀行で
竣工は1904年(明治37)、建築家下田菊太郎の設計。
市内最大の煉瓦と石造り洋館だそうです。
1896年(明治29)にオ−プンし、1931年(昭和6)に閉店しました。

 

「大浦海岸通り」は港の岸壁沿いの一等地ということで、
当時の彩色絵葉書にもなっています。(参考画像) 
隣は1898年開業の旧長崎ホテルです。

ついでに触れておきますと、今回宿泊したホテルのある場所に
旧ベルビュ−ホテルがあったそうで
こちらも絵葉書になっています。


このあたりは外国の貿易商が好んで滞在したのでしょう。 

「旧香港上海銀行長崎支店記念館」の内部です。


一階の支店カウンタ−。 天井や窓、ドアの装飾が凝っています。
今は多目的ホ−ルになっています。



左はホ−ル脇の部屋にあった小型の暖炉。    右は出島の旧長崎内外クラブにあったものです。

長崎の西洋館では必ず見かけました。
高島から煙の少ない良質の石炭が採れていたのだそうです。


会議室

 

応接室(右奥に珍しい暖炉があります)             凝った木製階段 



執務室

貿易関係の展示です


こちらは上海丸(5200トン)の模型。
日本郵船は1923年(大正12)から1943年(昭和18)まで
長崎丸と共に長崎〜上海間に日華連絡線を就航させていました。


見覚えあるこの風景は上海バンド!


2007年に上海外灘を旅行した際、ナイトクル−ズで撮った建物群ですが、
調べたら左側が旧香港上海銀行上海支店
(1923年竣工 現在は上海浦東発展銀行)でした。
 こちらもド−ム内部のモザイク壁画が公開されているそうです。


3階バルコニ−から見た大浦海岸通りと長崎港です。
今では埋め立てられています。 


円柱も手すりも凝っています。

《旧長崎税関下り松派出所》

同じ通りのすぐ並びにユニ−クな形の古い建物がありました。


「旧長崎税関下り松派出所」です。
1898年(明治31)建設で現在は「べっ甲工芸館」になっています。

以上が南山手と大浦海岸通りの洋館です。
内部も公開されていて、時間をかければさらに楽しめる所だと思います。