「截金(キリカネ)をご存知でしょうか」


川島道子

截金(キリカネ)をご存知でしょうか

皆さん、截金(キリカネ)をご存知でしょうか。截金とは金箔や銀箔などを、細い線や
小さな丸・三角に切って、それを筆とのりを使い、仏像や仏画にさまざまな形に
はりあわせ、金銀に輝く緻密で繊細な美しい文様を描きだすものです。

 

   

六世紀に仏教とともに大陸より伝えられ、その技法は、法隆寺や東大寺の
「四天王像」や正倉院宝物の「新羅琴」の表面に見ることができます。
 
法隆寺の四天王像(国宝)  

四天王像の裾  一部に截金が残っています。


新羅琴  弦の背後に見えています。

その後十一世紀ころより、わが国独特の截金として華麗な仏教美術の
花を咲かせました。神護寺の「釈迦如来像」(国宝)にはその着衣に
華麗な截金文様が施されています。

神護寺の「釈迦如来像」(国宝)

截金は、もともと中国におこり、日本には飛鳥、奈良時代に伝えられたと
言われていましたが、大英博物館所蔵の紀元前3世紀ごろに古代オリエントで
作られたアレキサンダー大王ゆかりの「サンドイッチゴールドガラス」に截金が
施されていることから、定説の見直しが始まろうとしています。


アレキサンダー大王ゆかりの「サンドイッチゴールドガラス」

一時は滅びかけていた截金ですが、近代に入いってからは茶道具などの工芸品や
壁面装飾にも応用されるようになりました。

私の住む町内に若い截金作家が居られます。下記の記事にあるように、
日本伝統工芸展の新人賞を受けられ、昨年も入選されて今注目の人で
ある左座朋子さんです。

截金師、左座朋子さんのご両親はお父さんが仏師で、お母さんは截金作家の
人間国宝として活躍されていましたが、62歳の若さで5年前亡くなられました

第58回日本伝統工芸展 新人賞受賞作品 

私の両親が眠る京都の東本願寺、東山浄苑のご本尊は、左座朋子さんのお父さんの
江里康慧さんの彫られた仏像に、お母さんの江里佐代子さんによって截金が施され、
まばゆいばかりの荘厳さに輝いています

東本願寺 東山浄苑

先日、左座朋子さんの截金の創作の過程を拝見する機会がありましたが、髪の毛より細い
金を貼り付けていく長時間の繊細な仕事ぶりには胸打たれました。その模様を取材したテレビの
映像が近く放映されます

ポスターはご両親の作品展のものです。

両親の墓参りのたびに、このご本尊を拝んできましたが、左座朋子さんのご両親の
手になるものとは思ってもみませんでした。日本の優れた伝統工芸である截金。
それがどのようにして創られていくのか是非テレビでご覧になられませんか。

「きりかね師  左座朋子さん」

放送日  2013年3月17日(再放送3月24日)
時間   22時より(30分)