肩身の狭いスペイン旅行

今回のスペイン旅行、間が悪い事に例の新型インフルエンザが報道され始める少し前に手続き(振込みその他)が
終わり、ガイドブックを買ったのが「スペインでも流行」の記事が出た前日。
少し迷いましたが、50歳を超えた人には感染しにくいという噂を信じてそのまま成り行きに任せ、飛行機に乗り込んだ次第です。
最初の予約は40数人だったそうですが、「常識・慎重派」のキャンセルが相次いだそうで最終的な参加者は24名、
成田空港で顔を合わせた参加者の雰囲気は一言でいえば「どうにかなるさ、レッツゴー組」で皆さん楽観的な方ばかり、結果的には人数も少なく非常に愉快な旅を続ける事ができました。

最初の観光地」はバルセロナ、あのガウディーの世界を堪能しました。なかでも感心したのがグエル公園の巧みな
設計、最初は小高い丘全体を高級住宅地にする計画だったそうですが、不景気、販売不振で途中でプラン変更、結果的に素晴らしい公園になったそうです。
いわば結果オーライ型ナイスパークの誕生で、今回の小生の旅行と一緒、すっかりガウディー先生に親しみを感じ
ました。
 
その後はバルセロナ・グラナダ(アルハンブラ)・セビリヤなどに宿泊しながら時計回りでスペイン南部をマドリッドまで
ぐるっと大型観光バスで半周する日程でした。

一番の楽しみはなんといっても泊まったホテル近くのバール(BAR)で一杯やること、覚えた言葉は「オラ!(ハロー)、ウノセルベッサ(ビール一杯)、グラッシャス、アディオス」だけですが、これだけで友好的な雰囲気の中で楽しむことが
できました。最初はオラ!の声がなかなか出ませんでしたが、剣道の「えい!」の声の要領で発声してみるとだんだん
様になってきたようです。 酒場に入ってにっこり笑い「オラ! ウノセルベッサ」そうすると発音が悪いせいか必ず「ワンビア?」 と聞き返されます。そこで「シー(イエス)」。最初から英語で言えば良いのでしょうが、 やっぱり郷に入っては、で新しい事を覚える事が段々苦手になってきている記憶力をフル活用して少し頑張りました。下手なスペイン語を必死に言えば、おもろいハポネスが来たとオリーブの塩漬けをサービスしてくれる店も何軒かあり、そのときは「グラッシャス!」そして帰るときにはまたにっこり笑って「アディオス!」。

ユーロに統一されて物価の安かったスペインもだんだん高くなってきているそうですが、バールのウノセルベッサが
たったの1,5ユーロ(約200円)で他のヨーロッパの都市よりもずいぶん安かったように思います。

眺めで一番素晴らしかったのがマドリッド近郊のトレドの街、川が半円形を画いた地図で想像していたのが、三日月湖がある平坦な地形でしたが、街を反対側の丘の上から眺めると、街全体が丁度お椀を伏せたような岩山全体に教会、砦、城壁がびっしりと立ち並び、お城とか城塞都市が大好きな小生、口を大きく開けてこの眺望を満喫しました。ローマ人、西ゴート族(ゲルマン人)、イスラムの人々、そして現在のスペイン人が2、000年以上もこの街を大事にしてきた
理由がよくわかります。

マドリッドにある有名なプラド美術館では、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤなどの美術史に載っている名画をほんとうに目の前で鑑賞できましたが、思ったほどには感激がありません。「あ、そう」という印象で、やっぱりこのような名画は、
日本の○○美術館で開催されるように「今世紀最後の美術展!」のような枕詞に煽られて、押し合いへしあいしながら人の頭越しにチラっと見えるほうがよさそうです。

そこで一句、

   生ビール 飲んでグラッシャス セニョリータ

(選者の言葉)
スペイン格安パック旅行に行っていたそうですね。食事も結構日本人の口に合うそうで、相変わらずおいしいおいしいとワイン・ビールを楽しんできたことでしょう。ただ酔っ払って、夜更けの街をうろうろしていると道に迷ったりしますからね。もう少し大人になるのですよ。

この作品、短い印象的な言葉を紡いで「格差社会」に生きる落ちこぼれ老人予備軍の悲鳴に似た悲痛な叫びが聞こえてきそうな調べです。
さすが言葉の錬金術師と言われる、耕ちゃんならではの作品が完成しました。名句です。