1/30 2008掲載

《イギリス北部の古都 ヨ−ク》
 
ニュ−カッスルから再び鉄道に乗り、イギリス北部の古都、ヨ−クへ行きました。
 
 
 
ヨ−ク旧市街 地図 
 
地図で見るとおり、ヨ−クは周囲を城壁に囲まれた、古い城塞都市です。
紀元71年に古代ロ−マがここに「エボラクム」という植民都市を建設し、城壁を
築いたのが始まりでした。
 
直径 1km 、一周 4.5 km ほどの小さな城壁の中に、イギリスの歴史がぎっしり詰まって
楽しめるため、イギリスでは観光地として大変人気があるそうです。
 
現在の城壁は14世紀のもので、中世の古風な城門(バー)が城壁内への通用門として使われています。
 城門(バ−)参考写真
 
城門の階段を登ると、城壁の上を巡る回廊があり、旧市街を見渡しながら歩けるようになっています。
一周約2時間ほどです。
 
 
城壁から巨大なヨ−ク大聖堂が見えます。 行ってみましょう。
 
 
 
 
○ヨ−ク大聖堂(York Minster)
 
 (大聖堂の南正面側の遠景。参考写真) 
 
 
ヨ−ク大聖堂はカンタベリ−大聖堂と並ぶ、イギリス最大の中世ゴシック建築の教会です。
建設には1220年の着工から1472年の完成まで、約250年(!)かかっています。
教会内部の東西南北4面の窓を飾る、壮麗なステンドグラスが特に有名です。
 
歴史
 
312年皇帝コンスタンチヌスがキリスト教を公認し、ロ−マ帝国の殖民都市であったこの地にも布教が広まり、
ロ−マ撤退後のアングロ・サクソン時代には、多くの修道院が設立されるほどにキリスト教信仰の盛んな地域でした。
 
ところが866年にデーン人が襲来し、キリスト教の修道院や教会を略奪、破壊しました。この侵略時に
この地は「ヨービック」と呼ばれるようになり、「ヨーク」の地名となったといわれます。
 
その後1066年に、イングランド王となったノルマン系のウィリアム1世(征服王)がこの地を支配します。
ノルマン系貴族たちはキリスト教に対する信仰心が篤く、ヨークにおけるキリスト教会も復興しました。
 
大聖堂が建設された13世紀〜15世紀は、百年戦争、ばら戦争などの戦乱の時期でしたが
その歴史を経てヨ−クはイギリスのキリスト教会の重要な地位にあります。
 
因みにイギリス国教会では
    カンタベリー大主教(The Lord Archbishop of Canterbury)の次席が
    ヨ−ク大主教(Archbishop of York)なのだそうです。
映画「エリザベス」の戴冠式の場面にもこの大聖堂が登場します。
 
 
南正面の入口から入ってみましょう。大きすぎてカメラに入りきれません!
 
 
 
内部から見た、南正面の窓のステンドグラスです。上部の丸い模様はバラの窓(The Rose Window)と
呼ばれ、当時のバラ戦争(1455〜1485)の終結を記念したものだそうです。
敵対したヨ−ク家とランカスタ−家のシンボルの、白と紅のバラを組み合わせたデザインになっています。
1500年頃の製作。
 
   
  ヨ−ク家       ランカスタ−家
 
 
 
こちらは西正面の入口です。 美しい両側の塔は高さ53m。
 
 
 
 
この西正面のステンドグラスは、上部にハート型のデザインが組み込まれていることから、
「ヨークシャーのハート」と呼ばれています。1338年製作です。(Great West Window)
 
オフィシャルサイトからの参考写真です。
 
 
 
こちらは北側のステンドグラス。5人姉妹(five sisiters)と呼ばれています。
製作は1260年と古く、中世としては最大のステンドグラスといわれています。
ガラスも地味で幾何学模様になっていますが、大変重厚なものでした。
 
 
 
そして東側のステンドグラス(Great East Window) 1408年製作。
 
 
  
 
大聖堂に続く Chapter House の床と天井の装飾です。
植物をモチ−フにしたデザインは、中世に憧れたウイリアム・モリスのデザインに
どことなく 似ていると思い嬉しくなりました♪。
 
   
(ウイリアム・モリス の壁紙のデザインより)
 
 
大聖堂の上に階段で昇り、夕暮れの市街を見ました。
 
 
 
 
こんな可愛い家も見えました。
 
 
大聖堂の上からのヨ−ク旧市街です。
 
最後に聖堂の地下にガラス張りで保存公開されている、ロ−マ時代の
建物の遺構を見学しました。
聖堂の脇にもロ−マ時代の石柱や、この地を紀元306年に訪れた
コンスタンチヌスロ−マ皇帝のブロンズ像が置かれていました。
 
 
セント・ウィリアムズ・カレッジ
 
1461年に創建されたセント・ウィリアムズ・カレッジはヨ−ク大聖堂の聖職者のためのカレッジです。
この「セント・ウィリアムズ」とは、征服王ウイリアム1世の甥のウィリアム・フィッツハーバートで
1153年にはヨークの大司教になっているそうです。
 
こころ休まる素敵な佇まいでした。
 
 
こうした、木組と石積みのコンビネ―ションの魅力的な建物が、
長くイギリスの伝統なのですね。

○クリフォ−ズタワ−(Cliford's Tower)
 
小高い盛り土の上に立つ、円筒形の石造りの塔クリフォーズ・タワーです。
 
ここはヨ−クを支配(1066年)したウイリアム征服王が、木造の城を築いた場所ですが、
1190年の反ユダヤ暴動の際に消失しました。
その後1244年から1270年にかけてヘンリー3世が現在の石造りの塔を建て、
17世紀末までは要塞として機能してきました。ヨーク城として現存する唯一の建物です。
 
このスタイルはモットと呼ばれ、中世の城の原型として代表的なものです。
 
 
 
塔の中に陳列された、ヨ−ク城の想像模型。左側が クリフォ−ズタワ−です。
 
 
上から見た塔の内部です。何とも殺伐とした感じでした。要塞だから仕方ないですが。
 
 
 
 
○カッスル博物館
 
クリフォ−ズタワ−の向かいにあるカッスル博物館に行きました。
 
 
ここは1938年に開館され、「日常生活」博物館として人気があります。
 
ヨークシャー地方の過去300年に及ぶ民族・文化の歴史が、実物や模型の展示によって紹介されています。
特に時代ごとに一般家庭のリビングの様子、さらには町並みの様子が再現されているのは興味深かったです。
 
 
実際に使用されていた家具調度です。
 
 
 
こちらはビクトリア時代の典型的な中産階級の居間と、アフタヌ−ンテイ−のテ−ブルとの解説でした。 
 
 
 
同じくイングリッシュマフィンが置かれた暖炉。
 
 
 

磁器の置物。 今も昔も人気です。
 
産業革命まで、ヨークは羊毛の取引などでロンドンに次いで第二位の人口を有し、
英国でも豊かな地域でした。しかし産業革命の頃はリーズとシェフィールドに中心が移り、
ヨークは一時寂れましたが、19世紀初頭の鉄道の繁栄がヨークに再び富をもたらしました。
大変有名な鉄道博物館もこの地にあります。
 
膨大なコレクションの展示でしたが、英国の生活史が余すところ無く繰り広げられていて
もっと時間をとって見たい所でした。
 
 
○街の散策
 
ありました! ”The National Trust ” です。 やはり本場のデイスプレイです。
 
 
 
 
こちらは「シャンブルズ」と呼ばれる古い通りです。昔このあたりは食肉店街で、通りを狭くし、軒を
張り出させて日当たりを悪くし、肉のいたみを防いだのだそうです。
 
 
 
市場の花屋さん。
 
 
ここは滞在したホテルです。城壁の中にある古いタウンハウスを改修してあります。
この通りに面した、二階の中央の部屋に当たりました。観光客を乗せた馬車のひずめの音が聞こえていました。
 
  
 
アットホ−ムな雰囲気のお部屋。                        ル−ムサ−ビスのお茶です。
 
 
私達がヨ−クに着いた週末は、「最も魅力的な街」として、
ヨ−クがイギリスのテレビで紹介されたそうで、大変な観光客の数でした。
 
楽しい英国の旅も終わりに近付き、そろそろ帰国のためロンドンに向かいました。
 
《ロンドン》
 
最後の訪問地ロンドンです。
1996年に訪れた際、一応観光していましたので、今回は好きな美術館2箇所に留めました。(疲れも出ました)
 
 
○大英博物館(The British Museum)
 
ここも好きなものだけ写真に撮りました。
 
 
ギリシャのセクションからスタ−トしました。つき当たりはパルテノン神殿の彫刻です。
 
 
BC400頃 ギリシャ
 
 
 
 
BC420年 ギリシャ  素敵です!
 
BC350年 ギリシャ
 
 
BC883-859頃  アッシリア    
 
時間がないので、急いで次の「好きな」美術館へ。
(エジプトのセクションに迷い込んで出るのに大変でした。)
 
 
○国立ポ−トレ−トギャラリ− (National Portrait Gallery)
 
ここには中世から現代までの、英国史上著名な人物の肖像画が収蔵されています。
 
 
 
現物を前にして魅力的なのはチュ−ダ−朝頃の肖像画です。 古いものほど素敵です。
リアルな描き方ではなく、独特な様式ですが、何故かその静かな迫力と緻密さがいいのです。
 
 
エリザベス1世  作者不詳 1575年
 
 
 
同じく エリザベス1世
Marcus Gheeraerts the Younger 1592年
 
 
 
お隣のナショナル ギャラリ−(The National Galleryは次の機会に再訪することにして、残念ですが今回はパスしました。
ここは気力で観るところです。
 
 
 
 
○ロンドンのホテル(Bailey's Hotel)
 
ロンドンでは前回泊ったホテルに今回も泊まりました。
地下鉄のグロスタ−駅の真ん前という立地もですが、古いタウンハウスを修復した、
居心地よい伝統的な雰囲気が気に入りました。 
 
 
 
 
 
フロントのある玄関ホ−ル
 
 
 
玄関ホ−ルにある吹き抜け階段。その下に読書コ−ナ−があります。
 
 
 
  
 
古風な建具に真鍮の金具。    建物自体が古いので廊下の床も歩くと少しきしみます。 
 
 
 
客室です。 チェック柄が楽しい気分にしてくれます。
 
 
 
なんとかロンドンでの日程も終え、イギリスを後にしました。
3年前のこの旅行、しばらく多忙でリポ−トが遅れましたが、振り返ってみると
今より体力ありました。 
 
また次の機会まで。最後まで読んで頂きありがとうございました。
 
 
親子旅でした。
 
-終り-