08 July 2012

光と闇の画家カラヴァッジョ

川島道子

イタリア人画家カラヴァッジョの名前は子どもの頃に見た衝撃的な絵によって知っていましたが、
バレエ「カラバッジョ」から刺激をうけて、あらためてカラバッジョとその絵画を知りたいと思うようになりました。


「エジプトへの逃避途上の休息」


華やかなルネサンスが終わった時代に登場したカラヴァッジョは、斬新な明暗法で大きな
注目をあびました。38年の生涯に約100点の作品を描きましたが、現存するのは50点弱
とされています。その中から私の好みで選んだ作品を紹介します

「バッカス」


カラヴァッジョは自分の唯一の師は自然であると言っていましたが、ミケランジェロを模倣し、研究していたようです。

「リュートを弾く若者」


描こうとする対象を理想化しない冷徹なまでの写実性と、深い明暗対比による劇的な画面作りは、バロック絵画の
巨匠と称されています。

「女占い師」


光と影を強調したその画法は、それまでの絵画の歴史に衝撃的変化をもたらしました。絵画の天才と言われた
反面、激情的な性格は金が入ると放蕩三昧にあけくれ、喧嘩によってたびたび投獄されました。
人を殺した
こともあり、「呪われた画家」とも言われていました。

「エマオの晩餐」


私が子ども時代に見た「ホロフェルネスの首を斬るユディト」は、旧約聖書に題材を得て描かれた作品ですが、
その暴力性と残虐性によって、カラヴァッジョの名前は忘れられないものにしました。

「ホロフェルネスの首を斬るユディト」


殺人のかどで死刑を宣告されましたが、逃亡した4年間、画いては逃げるという生活の中で描いた
作品郡の素晴らしさと凄みは比類のないものでした。


光と闇の対比が画面にもたらすドラマ性はカラヴァッジョの作品の特徴でもありますが、
その光と闇は彼自身の人生そのもでもあったかも知れません。

「アレクサンドリアの聖カタリナ」


調和と均整を目ざすルネサンス様式に対して劇的な流動性、装飾性を特色とする様式、いわゆる
バロック様式へと時代が移りかわろうとする転換期に大きな影響を与えたのがカラヴァッジョでした。

「ロレートの聖母」


カラヴァッジョの絵画の革新性はルーベンスやレンブラント、フエルメールやベラスケスに大きな影響を
与えました。

「聖マタイの招命」カラヴァッジョの最高傑作と言われています。


カラヴァッジョの名声は死後急速に廃れてしまいましたが、20世紀になって再評価の機運が高まり、
「ミケランジェロを除けば、カラヴァッジョほど絵画界に大きな影響を及ぼしたイタリア人画家はいないとまで言われています。

私の大好きなレンブラントの作品の光と影の巧みな表現は、カラヴァッジョから始まったのだとその影響力を再認識しています。