18 Nov. 2011

国東半島への旅         川島道子
 
 
10月31日から二泊三日の予定で妹夫婦と国東半島に行ってきました。30年ぐらい前に
訪れたときに印象に残った熊野の磨崖仏と富貴寺の再訪を楽しみに出かけました。
 
 
国東半島には古来の山岳信仰の場が、近隣の宇佐神宮ゆかりの八幡信仰や、
天台系修験と融合した結果、神仏習合の独特な仏教文化が形成されて現代に息づいて
いるところです。
 
 
 
 
国東半島にはいたるところに、多くの寺院や石像がありますが、そのひとつの熊野の磨崖仏へ
今から向います。登山靴にリュック、杖など登山とかわらぬスタイルで出発。

 
 
鬼が一夜で築いたと言われる石段。階段といっても大小不ぞろいの自然石を並べただけで、
不安定な上に苔むしていて一歩一歩踏みしめるようにして登ります。

 
 
 
奥の院まで続く石段の途中にある横道を入ると、目的の磨崖仏が見えてきました。

 
 
 
 
 
高さ8メートルの見上げるような磨崖仏の不動明王は、剣は持っていても親しみやすい表情で心が和み、
高さ6・7メートルの大日如来像とともに、この険しい山中に石仏を刻み込んだ人々の信仰の篤さに胸をうたれました。

 
 
 
ちょうど日が差し込んできて不動明王がより立体的にみえました。熊野の磨崖仏は最古、最大級の
磨崖仏と言われています。

 
 
 
登るときからくだりのことを考えて奥の院までは上がりませんでした。山は登りのきつさよりも
くだりが鬼門で、ここで足を滑らせたらと一歩ずつ必死の思いで降りていきました。無事くだり
終えたときは安堵するとともに、それまでの体調不良が消えているのには我ながら驚きました。

 
 
 
 
国東半島には国東塔に代表される石の塔がいたるところにあり、石造り美術の
豊富な文化圏であることを実感しました。

 
 
 
 
 
 
「仏の里くにさき」を代表する九州最古の木造建築で国宝の富貴寺にやってきました。

 
 
 
富貴寺は平安時代に宇佐神宮宮司の氏寺として開かれた由緒ある寺院で、阿弥陀堂(富貴寺大堂)は、
中尊寺金堂、平等院鳳凰堂とならぶ日本三阿弥陀堂の一つです。

 
 
 
 
石段を登るにつれてしだいに姿を現した富貴寺大堂の均整の取れた優美な姿には感動しました。雨の日は締め
切られている扉が開かれていましたのでお堂の中にはいりました。

 
 
 
内部は撮影禁止ですのでサイトより写真を引用させていただきました。大堂内には極楽浄土の世界を
描いた壁画が施されており、風化が激しいですが、極彩色で描かれていたことがうかがえます。

 
 
富貴寺の近くにある元宮磨崖仏にもたちよりました。

 
 
 
磨崖仏の風化が進んでいますが、地元の方たちの手篤い保護がしのばれました。

 
 
次に向かったのは毎年1月7日に国家安穏・無病息災・五穀豊穣を祈って、千年前から行われ
ている「修生鬼会」(しゅじょうおにえ)で有名な天念寺にお参りしました。天念寺は神仏混交を
象徴するような外観で、建物は崖に食い込むようにして建てられいました。

 
 
 
天念寺前の長岩屋川の川中の巨岩に不動三尊が刻まれております。この川は幾度となく氾濫を
繰り返したために、水害除けに刻まれたと伝えられています。

 
 
 
 
細い橋を渡ってお参りをしました。

 
 
 
天念寺周辺は天念寺岩峰と言われる奇岩や秀峰がそびえる景勝地でもあり、天念寺耶馬と
言われています。

 
 
この秀峰にかかる石橋が「天念寺無明橋」で修験者の修行の場になっています。

 
 
 
国東半島の中央にそびえる両子山(ふたごさん)の中腹にある両子寺は、山岳修行の要として栄えて
きましたが、現代では国東半島最大の石仏が迎える山門へいたる階段が有名で、カレンダーやポスター
などで知られています。

 
 
 
本堂にお参りしましたときに目にした木彫りの可愛い童子像の数々に、それを奉納した
人々の願いが偲ばれ、この寺が子授け観音の霊場であることを実感しました。

 
 
旅の最後は杵築市の杵築城に立ち寄り、天守閣からまわりの眺めを楽しみました。
現代に築かれた天守閣は資料館として活用されています。

 
 
今回、国東半島めぐりをして六郷満山(国東半島にある寺院群の総称)文化と言われる
仏教文化がなぜ国東で花開いたのか、全国の八幡宮の総本宮と言われる宇佐神宮が
中央から遠く離れた宇佐市に何故あるのか興味が尽きず、歴史の面白さを実感した
旅でした。
 
中国原産の渋柿を盆栽風に仕立てた老爺柿(ろうやかき)。

 
 
今回のドライブ旅行前は私は体調不良で、あの手(西洋医学)この手(東洋医学)の
対策で出かけましたら、仏の里の霊験あらかたですっかり元気になって帰りました。これは
来年82歳になる義弟の年齢を感じさせない運転によるドライブ旅行のお陰と感謝して
います.。