22 Oct. 2011

                    川島道子

オペラの楽しさ     Part2
           
 
オペラの花形と言えばソプラノ歌手といわれるくらいその存在は大きく、プリマドンナとしてもて
はやされています。現代のような映像時代では、声とともに容姿も重要な条件になり、最近の
プリマドンナは美人揃いで、これは男性歌手にもあてはまりますが、私が今関心を持っている
ソプラノのアンナ・ネトレプコ、メゾソプラノのエリナ・ガランチャ、テナーのヨナス・カウフマン、
バリトンのディミトリー・ホロストフスキーについて私の独断と偏見で紹介したいと思います。
 
 
アンナ・ネトレプコ
 
 
現在人気絶頂のアンナ・ネトレプコはロシア出身で、サンクト・ペテルブルグ音楽院に学び、
世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフに見出され、マリンスキー劇場の「フイガロの結婚」で
デビューしました。
 
 
デビュー後、2002年から、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、ザルツブルグ・フェスティバル、
ミュンヘン歌劇場などで多くの公演をしてきました。
 
 
 
その深みのある美しい声と魅力ある美しい容姿が人々をひきつけてきました。
 
べッリーニの「清教徒」
 
 
 
2005年のザルツブルグ・フェスティバルでの「椿姫」では、舞台にはソファと大時計だけで、ワンピースの
ネトレプコのヴィオレッタ、ワイシャツ姿のロランド・ヴィラゾンのアルフレードの二人の熱演に、会場は熱狂に包まれました。
 
 
ヴェルデイ「椿姫」
 
 
 
現代的な衣装を着て舞台を縦横にかけめぐり、スリップだけでのラブシーンをこなした彼女のすぐれた歌唱力と
演技力は人々をひきつけました。既成概念を打ち破るこの舞台の公演で彼女は世界デビューをはたしました。
 
ヴェルデイ「椿姫」
 
 
 
賛否の分かれた公演でしたが、その舞台は今も語り草になり、欧米ではオペラを一度も見たことの無い人が、
彼女のDvDを見るようになって、劇場にも足をむけるようになったと言われています。
 
マスネーの「マノン」
 
 
 
着々と力をつけたアンナ・ネトレプコは、2011年の秋のシーズンのオープニングを
ドニゼッティの「アンナ・ボレーナ」のタイトルロールを演じて成功を収めました。歌手に
とってシーズンのオープニングで主演することは大きな名誉でした。この作品はまもなく
福岡でもMETライブビューイングの第一弾として見られます。
 
ドニゼッティ「アンナ・ボレーナ」
 
 
 
映画の「ラ・ボエーム」は、舞台での共演が多いアンナ・ネトレプコとロランド・ヴィラゾンが主演して、
舞台とは違った魅力を表現していました。映画はオペラのことを知らなくても楽しめるものになって
います。
 
映画「ラ・ボエーム」
 
 
 
 
「アンナ・ネトレプコは、現代オペラの多くの部分を変化させた。彼女の登場以後、
幾多の女性歌手がダイエットを始め、男性歌手は筋肉質の体つきにかわった」
と言われています。
 
 
 
 
 
「オペラ界のシャラポア」と言われ、その美貌と演技のダイナミックさ、
声量の素晴らしさに人気がますます高まっています。
 
 
 
ザルツブルグ音楽祭で世界デビューを果たしたネトレプコは、顔立ちが派手で舞台に良く映え、その
表現力にひきつけられて一作ごとに評価を高めトップスターになりました。
 
私はオペラ映画「ラボエーム」やDVDによるコンサートのネトレプコの演奏に、柔らかい心を癒すような
声と、役になりきった表現力にたちまちファンになりました。このレポートを書いているそばでネトレプコの
CDを聞いていますが、一つ一つのアリアはその舞台が目にうかぶようで存在感があり、人柄も気さくで
どこか天然系のところがあって、それが又魅力になっているように思います。
 
 
 
 
ディミトリー・ホロストフスキー
 
 
バリトンのディミトリー・ホロストフスキーは以前から関心を持っていましたが、
METライブビューイングの「イルトロバトーレ」を見てファンになりました。
 
 
 
「椿姫」や「リゴレット」と並ぶヴェルデイ中期の傑作「イルトロバトーレ」は、ソプラノからバリトンまで
主役級の4人の歌手が揃わないと成り立たないと言われていますが、このMETライブビューイングの
「イルトロバトーレ」では、ルーナ伯爵を演じたディミトリー・ホロストフスキーに私は釘付けになりました。
 
ヴェルデイ「イルトロバトーレ」
 
 
 
世界的な歌手でもある主役のソプラノもテナーも記憶に残らないくらいホロストフスキーの存在感のある
演技には、強烈な印象を受けました。
 
ヴェルデイ「イルトロバトーレ」
 
 
 
特徴のあるプラチナブロンドに豊かな声量、白熱的な演技はドラマに真実味を与え、観客はその
世界へと引きこまでて行きます。
 
ヴェルデイ「ドン・カルロ」
 
 
ソプラノやテナーが主役のオペラで、これだけ強烈な印象を与えるバリトン歌手は
稀なことだと思います。
 
ヴェルデイ「ドン・カルロ」
 
 
 
ディミトリー・ホロストフスキーはシベリアに生まれで、地元のクラスノヤー・オペラで活躍
していましたが、グリンカ国際コンクールで優勝、その後BBCカーディフ国際声楽コンクールで
優勝したことから西欧世界から注目を集めるようになりました。このコンクールでは現在
世界的なバリトン歌手であるブリン・ターフエルと激しく競り合い、優勝したことでも知られて
います。
 
 
 
 
その後イギリスのロイヤルオペラをはじめ、ウイーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン
歌劇場ばど世界で名だたる数々のオペラハウスで公演をしています。
 
 
 
 
「イルトロバトーレ」のルーナ伯爵も素晴らしかったですが、私は彼の
モーツアルトの「ドンジョバンニ」を是非見れたらいいなあと思っています。
 
1956年から76年にNHKが8回にわたって日本に招聘したイタリア歌劇団の一員として
来日したバリトン歌手のエットレ・バスティアニのルーナ伯爵は、今も脳裏に焼き付いて
いますが、ディミトリー・ホロストフスキーのルーナ伯爵は、その思い出を蘇らせてくれるもの
でした。イタリアの名バリトン、エットレ・バスティアニは44歳の若さで亡くなり、多くのファンを
悲しませ、亡くなって40年以上もたっても今もネット上で語られています。
 
資料のほとんどはインターネットから引用しています。