07 Oct. 2011

オペラの楽しさ
                    川島道子

 
              MTライブビューイングより
              
 
総合芸術の花といわれるオペラは、私も子どもの頃から大好きで、その原点は
父のレコードにあったように思います。もう60年以上前からラジオや映画、そして
テレビで楽しんできました。生の舞台を見ることも無く、周りに語る人は皆無で
したが、そのことを寂しいとも思はずに過ごしてきました。小春ホームページで
出会ったV・Kさんご夫妻のご好意で、生まれて初めて生のオペラを見たときの
感激は今も忘れられません。
 
メトロポリタン歌劇場
 
先日、M・V・Kさんのご好意でヴェルデイの歌劇「イル・トロヴァトーレ」の映画を見て
衝撃をうけました。ニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場の「MTライブビューイング」
のシリーズの映画で、粒よりの歌手たちの歌の見事さ、合唱団の力強さ、
その声の競演が映えるスケールの大きな舞台装置や衣装などに感銘を受け
ました。
 
「イルトロバトーレ」
 
 
「MTライブビューイング」とは本場の歌劇場の最新のオペラ公演が、世界各地の映画館へ
配信され、観客は近くの映画館の巨大なスクリーンで楽しめる新しいエンターメントです。
生のオペラ公演ではなく、メトロポリタン歌劇場で収録された最新オペラ公演映像の
スクリーン上映です。本場の公演の3週間後には日本で映画上映がなされています。
 
「イルトロバトーレ」
 
 
全米とヨーロッパは現地と衛星同時中継で、映画は鮮明なハイビジョン映像に、最新の
音響装置による臨場感あふれる音楽、観客は居ながらにして迫力あるオペラが楽しめるように
作られていています。生の舞台では決して見られない舞台裏のライブインタビューや幕あいに
行われる大規模なステージ変換の様子など特典映像の充実ぶりには、別の楽しさがありました。
この映画は世界44カ国、240万の人々が楽しんでいるようです。
 
 
「ワルキューレ」 
ヴオータンとブリュンヒルデ
 
 
「イル・トロヴァトーレ」の感動からこのシーズン最後の作品、ワーグナーの「ワルキューレ」を
観ました。5時間半に及ぶ上映時間対策として、M・V・Kさんのアドバイスもあってコンビニで
ペットボトルのお茶とおにぎりを用意して、我が家のお向かいに住まわれる国立大学の
名誉教授のS先生と出かけました。S先生は専門は音響工学で、アクロスのシンフオニーホールの
音響設計をされ、若い頃はオペラ歌手として活動された方です。
 
 
「ワルキューレ」 
ヴオータンとブリュンヒルデ
 
 
ワーグナーのオペラは「タンホイザー」や「ローエングリン」などはかなり馴染んでいましたが、楽劇
「ニーベルンゲンの指輪」四部作は長時間であることや、物語の難解さに今までは敬遠してい
ました。音楽も有名な「ワルキューレ騎行」ぐらいか知らず、白紙に近い状態で見始めました。
ワルキューレとは北欧神話の主神ヴオータンの命を受け、天馬にのって戦場を駆け、戦死した勇士を
天界の宮殿ヴァルハラへと迎へいれる役割を持った戦乙女たちです。
 
 
「ワルキューレ」  
ワルキューレ騎行の曲とともにワルキューレたちの登場
 
 
物語は主神ヴオータンの戦乙女たちのなかで、最愛の娘ブリュンヒルデとの葛藤を描いているのですが、
適切な字幕のおかげでストーリーがわかりやすく、コンピュータ制御の壮大な舞台装置や豪華な衣装、
なによりも主役の歌手たちの声の競演には圧倒されてしまいました。生の舞台と違って表情のアップも
多用されて登場人物の心理がうかがえ、神話伝説の世界というより人間界の父と娘の愛憎劇のようで
思はず涙するシーンもありました。
 
「ワルキューレ」 
岩山に炎に包まれて眠るブリュンヒルデ
 
 
5時間半の長時間でしたが長いと感じず、終わったときはS先生と画面にむかっって思はず拍手して
二人で握手をしました。長い間オペラを鑑賞してきましたが、「イル・トロヴァトーレ」と「ワルキューレ」
の2作を観てあらためてオペラの楽しさを知り、私にとってはオペラ開眼をした「MTライブビューイング」
でした。2010〜2011年のシリーズは終わりましたが、この秋2011〜2012年のシーズンがメトロ
ポリタン歌劇場で開幕しましたので11月から福岡でも新しい作品が観られます。
 
 
 
2012年のシリーズには「ニーベルンゲンの指輪」四部作のうち後半の「ジークフリート」と「神々の黄昏」
がありますので、またペットボトルのお茶とおにぎりを用意して観にいこうと思っています。どちらも上映時間が
6時間近い大作ですので体力が問われそうです。
 
 
* 写真は「MTライブビューイング」から引用しました。