06 Aug. 2010


ヨーロッパの国々をつなぐドナウ川.....ミュンヘン大好き v. K.

ドナウ川といえば「美しく青きドナウ」や「ドナウ川(ダニューブ川のさざ波」で知られていますが、
ヨーロッパ大陸におけるその重要性は、実はたいしたものがあるのです。今日は源泉からパッ
サウまでを紹介します。

BGMは「クーフシュタイン賛歌」。クーフシュタインはドナウ川の支流、イン川の畔にあるオースト
リア・チロル州の美しい町です。

ドナウ川の源流は南西ドイツ、黒い森にあります。そこから南ドイツを東に横断し、さらに東に
流れてオーストリアのヴィーンを通り、スロヴェニア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、ブル
ガリアを経て、ルーマニアとモルドバから黒海に注ぎます。その全長は2850km。ここでは南ド
イツを流れる約500kmを紹介します。

ドナウ川の始まりはここ、南西ドイツはドナウエッシンゲンの、この泉ということになっています。
この泉から流れ出した水は、数ヶ月かかって黒海からイスタンブールのボスポラス海峡に到り、
M. v. K. さんの目にも映っていたことでしょう。

しかし、実際のドナウ源泉はもう少し南の小さな町にある、この泉です。この泉からわずか100
メートル西にもう一つ小さい泉がありますが、その泉の水はライン川に注ぎます。それゆえ標高
約1000メートルにあるこのあたり、はヨーロッパの分水嶺といわれます。この町に降った雨は実
に100メートルの違いで黒海に流れるか、北海(大西洋)に流れるか、運命の別れとなるのです。

ヨーロッパの分水嶺黒い森と、その周囲の川の関係はこのようなものです。ドナウ源泉のあるド
ナウエッシンゲンはライン川とその支流ネッカー川に取り囲まれています。

3年前編集長とハナパパが通ったコンスタンツも、直ぐ近くです。


図の中央、Tübingen テュービンゲンというところが、私たちが住んでいた大学町です.。


ドナウ川沿いの美しい町を紹介しましょう。レーゲンスブルクとパッサウ。パッサウではイン川が合流します。

ここはチェコにほど近いレーゲンスブルク Regensburg。1世紀にローマ軍の駐屯地として名前が残っ
ています。中世には神聖ローマ帝国自由都市でした。第二時世界大戦の戦禍に遭わず、旧市街は世
界遺産に登録されています。奥にレーゲンスブルク大聖堂が見えます。

この橋は12世紀、日本でいうと平安末期に建設され、現在でも自動車が走る町の入り口です。橋にも
船にも規格があって、橋は船が通るように、船は全ての橋を通過できるように、高さ、幅、深さなどが
厳密に決められています。

大聖堂正面ファサード。20世紀の再建ではない、本物の中世ゴシック。

レーゲンスブルクから少し戻ると、、

ドナウ川の砂州の上にヴェルテンブルク修道院があります。この辺は地形が隆起する一方ドナウによる
浸食が進み、まるで山間の峡谷のような美しい景観を呈しています。でも、このベネディクト派の修道院、
何度ドナウの増水に見舞われたことでしょう。

この修道院教会のバロック様式祭壇は特別の工夫がしてあります。内陣は外の光が射して明るく、龍退
治をする聖ゲオルグ 
St. Georgを、後方から光の中に浮かび上がらせます。宗教的荘厳さが醸し出され
て、とても見事です。

ここから観光船に乗ります。

しばらく進むと前方丘の上に円形の大きなドーム状の建物が見えてきました。

これは「解放の堂」と言い、ナポレオンのヨーロッパ侵略からドイツの国々を解放したことを記念して建てら
れました。しかし、バイエルンは親フランスだったはずですが、細かいことはわかりません。

堂内はこのようになっています。

バイエルンのエリザベートが、ハプスブルクのフランツ=ヨーゼフに嫁いだとき、ドナウを下る船に乗船した
のがここレーゲンスブルクだったように思います。ここから少し下ると、パッサウに到ります。ここからオー
ストリア国境は目と鼻の先です。

ここがパッサウ Passau。でも、この川はドナウ川ではありません。オーストリアのチロルから流れてきたド
ナウの支流、イン川です。

パッサウ旧市街遠望。手前がドナウ川、向こうがイン川です。このパッサウも幾度となく洪水に見舞われ
ています。建物の壁には「18xx年洪水時の水位」などと、記念の線が入っています。

中央イン川よりにパッサウ大聖堂が見えます。ロマネスク様式バシリカの本体に、内陣、翼廊をゴシック
様式に改築し、さらにバロック様式の塔を3本も追加しています。ギリシア神話の異様な怪獣キメラの様
です。辺境の地で余りお金がなかったからこんな改築を重ねたのかも。でも、この教会の中には世界に
誇る、すごいものがあります。

それは世界最大の(最大級ではなく最大だそうだ)パイプオルガンです。

へぇー。そんなに大きく見えないけど、パイプが壁の奥に隠れているのかも。

ドナウとイン合流部を背景にヤンママ(ヤンキーママ)M. v. K. たち。

ライン=マイン=ドナウ運河

1780年頃建設が始まり、約200年の歳月を掛けて1980年頃完成しました。運河はレーゲンスブルク近くか
ら北に延び、約180km先でライン川の支流マイン川に到達します。これによって東の黒海と北の北海(大
西洋)が河川で結ばれました。ヨーロッパで内陸水運の盛んなことは、日本では想像できませんが、鉄道、
道路と並ぶ重要な貨物輸送手段です。ヴィーンやブダペストを出航した船は数日でバーゼル(スイス)、ス
トラスブール(フランス)、ロッテルダム(オランダ)あるいはロンドンに到達します。

「オーストリア・ヴァッハウ渓谷のドナウ川下り」に続きます)

(付)こんな運河 アンビリーバボー ありえーん

これはライン=マイン=ドナウ運河ではないが、ドイツのある運河です。本来の川の上に運河が立体交差し
ています。すごい。

その航空写真。中央部交差しているところが、前掲写真の部分です。Google提供のこの写真を拡大すると、
高さの異なる水面の水位を調節する水門が少なくとも4カ所見えます。そのうち3カ所は船を通す閘門です。
これだけ河川交通が発達しているわけですね。

(付) Das Kufsteiner Lied クーフシュタイン賛歌

Kennst Du die Perle, die Perle Tirols?

Das Städtchen Kufstein, das kennst Du wohl?

Umrahmt von Bergen so lieblich und still,

Ja, das ist Kufstein dort am grünen Inn,

Ja, das ist Kufstein am grünen Inn.

チロルの真珠、緑のイン川のほとり、

クーフシュタインを知ってるかい?

Es gibt so Vieles bei uns in Tirol

Ein gutes Weingau aus Südtiröl

Mancher wünschts, es möchte immer so sein

Bei einem Madel und einem Glasrl Wein

Bei einem Madel und einem Glasrl Wein.

南チロルの美味いワインをグラス一杯と、可愛い少女の微笑み。

チロルはいつもそうであって欲しい。

Nun ist es Urlaub dann wieder aus

Man nimmt den Abschied und fährt nach Haus

Man denkt an Kufstein, man denkt an Tirol.

Mein liebes Städtchen, lebe wohl lebe wohl,

Mein liebes Städtchen, lebe wohl lebe wohl.

休暇は終わる。

-フシュタインよ、チロルよ、さようなら。