4/5 2004掲載

日本を代表する食事処の最高峰といえば「吉兆」
その中でも、顧客の満足度と安全度を最大限考慮しての事と思われる次の文言・・・・・

「新規のお客さまからのご予約は、申し訳ございませんが、受付をいたしておりません」

そう云われれば尚更「行ってみたい、一度だけでも」というのが人情。

一年前に始まったのがこの”吉兆東京本店”での<思い出膳実現プロジェクト>

「何なら紹介してもいいですよ」
浄水茶寮主人は若かりし頃、ここ吉兆東京本店で修業を積んだ経歴の持ち主
そう云ってくれるのは有難いが、その本人と共に行ってこそ意味あるに違いない。
それと同行の仲間、この人選にも気配りしなければ・・・・・

そうなんです、この企画を東京吉兆の女将さんに相談した浄水主人
「先方からそれとなく同行の仲間の人となりを聞かれましてねえ・・・・・」
そりゃそうでしょう、日本を動かす政財界や皇室の方々がくつろがれている部屋といく
らも離れていない席で、しかるべき宴を繰り広げるわけですからそれも尤もな話です。

そして今宵、いよいよ時間が迫ってきました。

4丁目から
徒歩でいざ木挽町へ・・・・・はやる気持ちを抑えつつ。

この角を曲がると直ぐ

此れが良かった!
かつての同僚、いの一番にお出迎え。

でも未だ緊張気味!

そして玄関へと進む・・・



「花の雲 鐘は上野か 浅草か」芭蕉
花入

朝鮮唐津 東兆




虫かり、鯛釣草

そして通された2階の広間

重厚な引き手の向こう

緊張感あふれる
数寄屋普請、床に目をやると・・・・・



二軒茶屋  松園

花入

青磁壷 寧



ぼけ あづま絞り椿

脇床

大内蒔絵
柳桜文様 文庫・硯筥

ややあって着席

先日皇室の方がご臨席、哲子さんの席が正に天皇陛下、高菜の席に皇后陛下がご着席
「とてもお和やかな宴で御座いましたよ」

しかしながらとても我々和やかに・・・には程遠い緊張顔。

お待ちかね、膳菜が運ばれてきました。

千鳥蒔絵 盆景盆/仁清写桜舟 : 青竹串 厚やき・八幡巻・車海老・胡瓜・鮑
            雪洞 : 白子キャビア

   

都どり : 平豆胡麻クリーム

    鯛子煮氷 フォアグラ山桃

ここで女将さん登場!

一気に

場が華やいで、それでいつもの笑顔に戻りましたね・・・・・みなさん。
とっておき「動画2.3MB」でこの雰囲気掴めますか?

最高峰に位置する店の女将のさりげない所作がどれほど客の心を和ますか・・・・・
正に驚愕のシーンを見せられ、魅せられました。

椀盛

柳桜蒔絵はいただいて後

堪能いたします。

ずいぶんリラックスしてはる。。。

造り

蛤かご石焼き : 車えび 平貝 酒盗漬

床前の三人官女

お味のほう如何どす?

浸し

万暦手付  : 干子 ふき 椎茸

揚げもの

おりべ : 稚鮎 河えび たらのめ たで酢 

焚き合わせ 

半七桜鉢 : 嵯峨筍 ゆば 一寸豆

手先の美しい動作で取り分けてくれます。

美しい!

思い出すだけでもあの時の緊張感と満足感が蘇ってきます。
正に至福の時・・・・・今宵の膳で感じる事の一つがピーンと張り詰めた折り目正しさ。
この源は何だろうと思慮するのも一興かと箸休め・・・・・

最良の食材を、最高の道具と腕で調理して、お宝とも云える器で提供されればもうお味の段では
ありません。しかるに充実感につつまれる根源は、浄水主人の学び舎”東京吉兆本店”への母校
訪問。訪れる側迎える側双方に、よい意味での緊張感があってそれでいて宴席は春爛漫!
ここのご主人から厨房にどうぞと御呼ばれの浄水主人、顔を紅潮させながら席に戻ってきました。

強肴

九谷菱皿 : 小柱 胡瓜 うど 赤貝 蛤貝

かんてき 土なべ : 近江牛 アスパラ鍋

おしとやかさ・・・・・保たれてます。

御飯 香もの 

明月院桜椀 : 花片めし

くだもの 

メロン マンゴー 苺シャーベット

デザートの刻には宴席ますます和んで・・・・・

菓子 桜もち

うす茶

後半は、浄水主人の修業時代の話でもちきり・・・・・
今でもここ”吉兆東京本店”は従業員住込みの習慣が残っていて、意思疎通を知らないうちに学ぶ
らしく、他所では当たり前の朝礼などやっていないとの事。さかのぼる事三十有余年、穐吉青年に
も禁断の恋心芽生えたから大困り、従業員間の個人交流がご法度のみぎり眠れぬ夜もあったとか。
抑えきれぬこの想い、何とかならぬかと考えた挙句とった行動は・・・・・石鹸箱にしたためた文
一通、「神田川」ならぬ石鹸箱、カタカタならして銭湯へ。。。その後はどないなったやら!?

私の興味は皇室の方々の此処での出来事。天皇皇后両陛下のお人柄が物語るように、極めて穏やか
な宴席であったのは云うまでもなかったでしょうが、興味津々なのはその宴の前後の段取りやお出
迎えお見送りの秘話。今回のような吉兆への皇室の方々のお出ましは極めて稀で、通常は皇居や赤
坂御所への出張料理、それを可能にする素晴らしい厨房があって腕を振るうに充分なんだそうです。

そんなこんなで夜更け時・・・・・
なんといっても今宵の膳を大いに盛り上げてくれた最高の功労者二人、ホスピタリティーという言葉
の何たるかを少々自覚の我々同行仲間、教えられる事の多かりき。

入室來気になる脇床の蒔絵文箱、女将さんに見せていただきました。

も一つ気になって仕方の無かった前室

襖が収納され、畳全体が持ち上がるとそこは舞台に変身

女将さんも一緒に

4時間近くに及んだ宴席最後のお見送り

日本特有の、見事な伝統総合芸術を見せていただいたような気分にさせてもらって大満足・・・・・
「またお出でくださいませ」
「今度は皆の還暦祝いの頃やね」

もうひとまわり大人になって是非もう一度、伺いたいと思ったものです。


先日はまたとない素晴らしい宵を
ご一緒させて頂きまして本当に有難うございました。
 まだ余韻のなかでうっとりしております。
 
穐吉さんの心のこもった素晴らしいおもてなしの原点は
若き日の「吉兆」での日々なのですね。
立派になられた穐吉さんを迎えて下さった
 女将さんの明るく上質なお人柄もお料理と同じくらい本当に印象的でした。

哲子

運ばれし 器の中に 爛漫の春   

まぶしくも 五十路の桜 咲きそろい

 
1971.2.3 その日は節分 初めて面接に訪れたあの玄関
2004.4.2 今宵の宴で再び訪れた同じ場所
 
そこには不易の空間がありました。
暖かい愛情に包まれた・・・・・・・。
女将さんにはたいそうお世話になりましたね。
ことのほか僕には並み以上に愛情を注ぎ込んでもらい。
 
料理は"愛情” それがすべて。。。。
夢心地の時間でした。
同行の兄姉の皆さんに感謝。感謝。
それに女将さんにも・・・・・・。
 
穐吉 陽一郎
浄水のご主人のおかげで、庶民は足を踏み入れられない所に、
入れて頂き、最高のお料理、おもてなしをを受け、夢心地です。
 
でも、今回の一番の収穫は「女将」の姿勢でした。トップの女将の!
たった数時間でしたが、多くを学ばせて頂きました。
夜中の12時まで人に任さぬ帳簿付けの気迫を、真似させて頂きます。
女はいつまでも爪の先まで、髪の毛の一本一本も美しく、あろうと思いました。
人様が相手のお仕事、人様それぞれの話を心に刻み込まなければトップにはなれないのですね。
頭の訓練をしなければ、ご時世についていけません、物覚えをよくしなきゃ!
笑顔で長生きが大事です・・・・・いっぱいゲットしました。 欲深い(鳴滝母)
 
 
「もったいないので私なんてガキはいけません」と、申し上げたら、小春パパに、
「こんな機会は二度とないんやから勉強やから、来い」!って言っていただいて、
母の勧めで参加させていただきましたが、「竜宮城」の一言です!  (娘)